目次
問題解決のフレームワークって何?
知っていると、どう役に立つの?
今、何が気になっていて、本当はどういう状態になりたいのか。そのためには何をすればよいか、なんとなくアイデアは思い浮かんでいるけど、どこから手をつけたらよいのか―。頭の中にあることを書き出す(見える化する)ことで、思考が整理され、問題解決への道すじが見えてきます。
問題解決のフレームワークの使い方
では、具体的にどんな方法で思考を見える化していくのでしょうか。
(1) 「ありたい姿」を言語化する
売上目標の達成や業務の効率化など、実現したいことを実現した状態(目的地)を思い浮かべて、具体的な言葉にします。「XXがXXまでにXXしている状態」などのように表現してみましょう。
(2) 「現状」を確認する
目的地を決めたら、出発地点(現在地)を確認します。そうしないと、どの方向へ、どんな手段を使って進めばよいか、見当がつかないからです。起きてほしくないのに起きていること(または起きてほしいのに起きていないこと)を、正しく書き出します。
(3) ありたい姿と現状の差=「問題」を明確にする
ここまでで確認した「ありたい姿」と「現状」の差が、「問題」です。「XXXがXXXしてしまっている」「XXXがXXXとなっているべきところ、そうなっていない」などのように言語化します。
(4) 問題のありかを特定する
「問題」にあたりをつけたら、もう一つか二つ踏み込んで、「問題のありか」を特定します。起きていること(起きていないこと)を色々な切り口・色々な角度から観察して、大きな問題(総論)を、小さな問題(各論)に分解していきます。「問題のありか」の候補がいくつかある場合は、重みづけ(優先順位づけ)をします。
(5) 問題の原因を追究する
問題のありかを絞ることができたら、なぜそうなっているのか、「原因」を追究します。急がず、決め打ちせず、考えうる要因をまずは思いつく限り洗い出します。次に、このへんが怪しいな、という要因を「なぜ?なぜ?」と掘り下げていきます。
(6) 解決策を決める
問題の原因を特定(または仮定)したら、どうすればそれを解消できるか、「解決策」を考えます。解決策の候補は一つではないでしょう。広く選択肢を並べて、ひとつひとつを評価して、実行する施策を選びます。
評価の判断軸をどのように設定するかはケースバイケースですが、例えばコスト(お金がかかる)、実行可能性(できそう感ある)、効果(インパクトありそう)、スピード(すぐに始められそう)などの切り口で評価してもよいでしょう。
「問題のありかを特定する」までが9割、「解決策」を急がない
問題解決のプロセスにおいて、ひとつ大事なことがあります。それは、問題解決の成否は、「問題のありかを特定する」までの工程に掛かっている、ということです。
“A wrong answer to the right problem can, as a rule, be repaired and salvaged. But the right answer to the wrong problem, that’s very difficult to fix, if only because it’s so difficult to diagnose.”
(The Daily Drucker | Peter. F. Drucker)
「正しい問題への間違った答えは修正がきく。しかし、間違った問題への正しい答えほど修正の難しいものはない。問題がどこにあるかもわからない」
――経営学の父とも言われるピーター・ドラッカーの言葉です。
何が問題なのかを見誤ったままでは、いくら首尾よく解決策を講じたとしても、本当の問題解決には至りません。それだけでなく、「その解決策の何が良くなかったのか」ばかりに目がいってしまい、そもそもの問題の特定を誤っている可能性に気付くことができない危険性も孕んでいます。これはとても怖いことです。
日々忙しく仕事をスピーディーに消化している人ほど、「解決策を急がない」ことにはストレスを感じるかもしれません。それでも、思いついた答えを試す前に、解くべき問いを考え抜いて、明確にすること。そこにかける手間を惜しまないようにしたいものです。
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投稿者プロフィール
- パイオニア→三菱総合研究所→現在はソニーグループで組織開発/人材開発に携わる。シニアマネジャー。2020年~2022年、副業でJOINSに参画。組織を越えて、“個”として働くことに一歩踏みだす皆さんを全力で応援。DDIファシリテーター(コーチング)、キャリアカウンセラー(CDA)、ワークショップデザイナー。
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