“ホウレンソウ”とは

ホウレンソウって何?

ざっくり

ホウコク(報告)+レンラク(連絡)+ソウダン(相談)

なぜホウレンソウが必要なのか

主に仕事の場面で行われるホウレンソウ(報告・連絡・相談)の目的としては、

  • 懸念点やミスを早期発見して、致命的な手戻りをなくし、仕事を円滑に進めるため
  • 他のメンバーや関係者にも進捗を見える化して、相互の連携や支援を促すため
  • 定期的に仕事を振り返り、その経験から得た学びを言語化するスキルを高めるため

などが挙げられます。

チームや組織の力(リソース)を最大限に活かして良い仕事をするためには、適時・適切・適量の情報共有・コミュニケーションが不可欠です。そのために一人ひとりに求められる基本動作がホウレンソウです。

また、ホウレンソウにはもう1つ、とても大事な効用があります。

すべては仕事の依頼主の「安心」のため

それは、仕事の依頼主に「安心」してもらうことです。

仕事をお願いした方としては、「期待どおりの仕上がりになりそうか、問題は生じていないか、期限に間に合いそうか」と、進み具合が気になるものです。仮に仕事の期限が1か月後であっても、数日~1週間おきに状況を知らせてもらえると、仕事が前に進んでいることが分かるので安心できます。

また、よくbad news firstと言われるように、「思っていたのと違うかも」「ちょっとまずいかも」という事態に気付いたら「すぐに」依頼主へ伝えることも大切です。手遅れになる前に正直に状況を報告して、対応策を提案・相談することは、一時的には険悪な雰囲気になったとしても、中長期的には信頼につながる誠実な行動と言えます。

副業プロ人材とのチームづくりは、ホウレンソウのルール決めがポイント

企業と副業プロ人材が、(リモートワークを中心とした働き方の中で)どのように情報共有・コミュニケーションをとっていくか。そのルールをお互いに合意しておくことは、一定の期間内に成果を出すためにはとても大事なことです。

JOINSでは、主に次のようなポイントに沿って双方の「ルール決め」をサポートしています。どんなチェック項目なのか、簡単に紹介します。

□ 業務報告のタイミングや内容を確認

ここでいう「業務報告」は、実施した業務の成果と進捗のことであり、副業プロ人材が企業に請求する報酬の根拠となる稼働実績です。どのような頻度で、どのような場で、どのような粒度で報告するか。通常は仕事の依頼主(企業)の意向に沿って決めます。JOINSでは少なくとも月一回以上の定期的な報告を推奨しています。

□ 定例ミーティングの開催方法を決定

定期的なコミュニケーションの場を確保するために、定例ミーティングを予め設定しておきます。頻度(例;毎週or隔週)、方式(例;原則オンライン、月1回は対面)、日時(例;毎週○曜日○時~)、会議ツール(例;企業側Zoomアカウントで主催)など具体的な方法を決めておくと、会議開催のための調整コストを減らすこともできます。

□ 日常のコミュニケーションツールの決定

オンライン・リモートワーク環境では、コミュニケーションの「質」だけでなく「量」がとても重要です。思いついた時にすぐにやりとりができるように、チャット機能のあるツール(Slack、LINE、Chatwork、Microsoft Teamsなど)を推奨しています。

□ 副業プロ人材の業務時間帯を確認

「○曜日の○時以降」「休日は○時から○時まで」など、この仕事のために稼働できる時間帯について、仕事の依頼主(企業)の理解を得ます。別の仕事も持っている副業(兼業)人材なので、連絡をとりやすい時間帯を予め確認しておくことで、「返信が遅い」「連絡がない」等の不満や不信感を生まないためにも大変重要です。

□ その他、仕事の進め方で希望することの共有

仕事の依頼主としては「日々の状況をこまめに把握したい」「メールやチャットの返信は早めが嬉しい」等の希望があるかもしれません。一方、副業人材としても「報告の頻度は最小限にして、日々の進め方は任せてほしい」場合もあるでしょう。日々のやりとりのテンポについて、相手の感覚や期待を予め確認しておくとよいでしょう。

参考|JOINSでは、企業と副業プロ人材との間で上記のようなコミュニケーションのルールを確認しあうためのツールとして、「キックオフシート」を用意しています。

人それぞれ、心地よいホウレンソウの「型」がある

一人ひとり、慣れたホウレンソウのやり方があります。

伝える中身(量、粒度)、頻度(タイミング)、伝達手段(ツール)など、これまでの経験をもとに「ふつうはこうだよね」という型(常識)を身につけています。

一般的に「常識」というものは、所属する組織や社会、育ってきた環境の影響を受けて形成されます。そのため、初めて会う人とは、お互いが持っている常識(≒「当たり前」の感覚)にズレがあっても不思議なことではありません。

そういうズレがあることを前提に考えることができれば、相手が慣れ親しんだホウレンソウはどんな「型」なのかを推し量りながら、それにあわせて自分の「型」を調整していくこともできます。

そんなことをチームの一人ひとりが意識することで、お互いにとって心地よい(安心できる)コミュニケーションルールを見つけていけると理想ですね。

– 副業プロ人材とチームを組んで自社の業務課題を解決する –

投稿者プロフィール

岸 秀一朗
岸 秀一朗
パイオニア→三菱総合研究所→現在はソニーグループで組織開発/人材開発に携わる。シニアマネジャー。2020年~2022年、副業でJOINSに参画。組織を越えて、“個”として働くことに一歩踏みだす皆さんを全力で応援。DDIファシリテーター(コーチング)、キャリアカウンセラー(CDA)、ワークショップデザイナー。