【失敗事例から学ぶ】地方企業のための「副業人材」契約時、チェックポイント5選



✅人材募集をしてみたけど、どうやって選べばいいかわからない
✅自社に人材採用のノウハウがないから困っている
✅何か明確な視点があれば助かるんだけれど・・・

このような悩みをお持ちの経営者も多いと思います。
自社の課題を解決できる人材がいない。
でも、そのために1人雇用するほどの業務ではない。

副業人材は、そんな痒いところに手が届く存在です。

ピンポイントで1つの課題解決に当たってもらい、課題が解決したらその後は自社で自走していく。
そんなことが可能になるのです。

そこで本記事では、人材契約検討時の指針となるチェック項目についてまとめます。

事業内容や、業種により柔軟にアレンジする必要はありますが、本記事に沿って取り組んでいただければ、あなたの求める人材との出会いに繋がるはずです。

また副業人材活用においては、企業経営者側も注意しておいた方が良いこともあります。人材採用時の指針と併せて、企業経営者のセルフチェック項目についても解説します。

1、これまでの失敗事例(JOINSの過去案件より)

失敗事例

コミュニケーション不足による失敗事例

コミュニケーション不足は、失敗事例の中でも大きな要因の1つです。

面談時に、お互いの勤務状況や連絡の取りやすい時間帯などの確認が十分できておらず、

契約後にうまくコミュニケーションが取れないことが理由です。

・お互い遠慮パターン

企業:返事を待っていないでもっと催促して欲しい
人材:忙しそうだから、もう少し様子を見よう

・定例会議リスケパターン

企業:リスケが続いて申し訳ない、時間が取れないけれどどうしていいか分からない
人材:決めてもらうことに返信がなく業務進まない、電話したいがいつ連絡すればいいのか分からない

契約時に、日常どんなスパンで、どのようなツールでコミュニケーションを取るのかをしっかりと確認しておくことが必要です。

繁忙期など普段と状況が変わる場合は、都度人材側と相談しながら柔軟に対応することも大切です。

仕事の進め方の相違による失敗事例

仕事の進め方も人によってそれぞれです。

こちらも、面談時に十分すり合わせができておらず、契約後にお互いの仕事の進め方についてハレーションを起こした事例です。

・業務報告頻度の捉え方の相違

企業:週に1回は業務の進行について報告が欲しい
人材:時間をいただくのが申し訳ないので、月に1回業務報告をしよう

報告頻度の捉え方は人によって異なります。

業務報告の頻度についても、事前に共有しておくことが大切です。

・役割分担の捉え方の相違

企業:企業側は発注者、人材側は受注者
人材:同じ目線・立場で伴走したい

確かに企業側は報酬を支払うので、発注者と受注者、という関係ではあるでしょう。

しかし、うまくいっている事例の多くが同じ目線、同じ立場である「仲間」として認識し合っているという共通点があります。

目指しているゴールの相違による失敗事例

「この人だ!」と決めて契約したものの、そもそも目指すところはどこか、というゴールの共有が十分にできておらず、
うまくいかなかった事例もあります。

企業:ECサイトで販売する新商品の開発をしたい
人材:まずはHPから整備した方がいい

面談時に、「共に目指していくゴールはここだ」、そして「そのゴールへ向かう過程ではこれが必要だ」、という認識を共有しておくことも非常に重要です。

2、副業人材契約時チェックポイント5選

副業人材契約時チェックポイント5選

①心から一緒に仕事をしたいと思えるか

まず、人材を選ぶときに大切にすべきことは「心から一緒に仕事がしたいと思えるか」です。
 
人材との契約時には、どうしても安心感が欲しくて人材の「経歴」「実績」に目が行きがちです。
 
確かに、経歴や実績も重要な要素ではあります。
 
しかし、どんなに立派な経歴や実績を持った人材でも、人間的に相性が合わなければ、お互いいい仕事はできません。
 
JOINSを通じて副業人材を活用しているある経営者の話によると、
 
・使う言葉が難しすぎて何を言っているのかがわからない
・自社のビジョンを理解してくれない
・一方的に考えを押し付けてくる
 
このような人材とはなかなか一緒に仕事をしようと思えない、とのことでした。
 
これは皆さんも同じではないでしょうか。
 
上記の例は、「使う言葉や働き方のスタンス」が合わなかったから、という要因が大きいでしょう。
 
「一緒に働きたいと思えるか」という観点は、「感覚」的な要素が大きいので、どうしても軽視されがちです。
 
しかし、副業人材と契約する時の最重要判断項目の1つであると私は考えています。
 
面談時には、ぜひ「どんな人材かな?」と相手を理解しようとする目線を持ち、たくさん話を聴くことが大切です。
 
そして「この人と仕事をしたい!」
 
そう感じたら、それは運命の出会いとなり得ます。
 

②自分で考えて動いてくれそうか

2つ目のポイントは、「自分で考えて動いてくれそうか」どうか、です。
 
副業人材の活用は、社外の人材の力を借りることになります。
 
副業人材は基本リモートでの仕事となるので、「今何をすべきか」を自分で考えて行動できる力は非常に重要です。
 
あなたから、常に指示を出さないと動かない人材であれば、コミュニケーションコストもかかります。
 
社内にない、新しい視点での課題解決を求める中で、言われたことしかできないようではあまり副業人材活用のメリットは感じられないでしょう。
 
しかし、だからと言って仕事を「丸投げ」してしまってもうまくはいきません。
 
副業人材は、自社の内情を日々知るこはできません。
 
副業人材とこまめに連絡を取り合いながら、適切な情報共有を行う。
 
その上で、人材側もその情報を元に自分で考えて行動を起こす。
 
この循環が、副業人材を活用しての課題解決成功の秘訣です。
 
では、契約前に具体的にどうやって「自分で考えて動ける人材」かどうかを見分ければ良いか、1つの視点をお伝えします。
 
それは、1次面談時に「具体的な提案」を行なってくれるかどうか、です。
 
つまり、面談に望むその姿勢で、「自分で考えて動ける人材」かどうかを見分けることが可能です。
 
あなたは、1次面談時、次のどちらの人材と仕事をしたいですか?
 
A:何も準備をせず、「どんなことにお困りですか?」「どうしたいですか?」というように、情報収集がメインの人材
B:事前の応募要項や自社のHPから必要な情報を集め、現時点で可能な範囲での具体的な課題解決策を資料を作成して提案する人材
 
多くの方がBの人材を選ぶのではないでしょうか。
このAとBの人材の大きな違いは、面談までの事前準備にあります。
 
Bの人材は、1次面談までに労力をかけて自ら情報を集め、自分なりに最適解だと思う方法を資料にまとめる、というところまで「自分で考えて」行動していることが伝わってくるはずです。
 
面談に臨む姿勢から、契約後の働く姿勢が垣間見えるのは確かでしょう。

③稼働できる時間、スケジュール感が合うか

③は、①、②と比べてシンプルです。
副業人材の稼働できる時間、スケジュール感が合うかも重要な視点です。
 
副業人材の多くは、本業があります。
 
そのため、連絡がつく時間帯は人材によってバラバラです。
 
コミュニケーションコストを少しでも削減するためにも、面談時に自社の希望と、人材が稼働できる時間帯やスケジュールをしっかりと聞いて、すり合わせておくことが非常に大切です。
 

④自社の内情レベルに合った課題解決ができそうか

自社の内情レベルに合う課題解決に結びつきそうか、という視点も大切です。
 
自社の内情を考慮せずに話を進めてしまうと、自社の規模や内情に合わない方向で動き出してしまうことがあります。
 
自社のリソース(使える時間、人、モノ、金)をしっかりと把握し、人材の持つ経験とノウハウを、どう掛け合わせれば自社の内情に合った形で応用できそうかを吟味することが大切です。
 
例えば、ある酒類販売店が、経理業務の自動化をして欲しい、という内容でJOINSを通じて副業人材を活用しました。
 
その時に応募してきた人材の中には、ハイレベルで、ITに精通した方が複数応募してきたそうです。
 
実際契約したのは、エクセルのマクロを活用した解決策を提案した人材でした。
 
酒類販売店の担当者いわく、
 
「自社の社員で長く運用していくことを考えれば、高度なシステムはうちには必要ない。
 エクセルのマクロを組んで、手作業でやっていることが少しでも自動化すれば、それで十分ありがたい。」
 
というニーズがあったそうです。
 
このような視点で検討する中で、最も自社の内情レベルに合った課題解決ができそうな人材と契約されたとのことでした
 
もちろん、他の人材もマクロによる自動化システムの導入はできたでしょうが、より自社の内情を考慮して、同じ目線で話をしてくれたことが決め手だったようです。
 
大切なのは、同じ目線に立ち、自社の内情にあった課題解決をしてくれる人材を選ぶことです。

⑤内製化も視野に入れて伴走してくれそうか

ここは、④と紐づく部分ですが、今後自社内で自走できるようになることを望むなら、新しい取組やシステムを内製化していかなければなりません。
 
先ほどの酒類販売店の例でいうと、いくら便利なツールを導入しても、それを自社の社員が使いこなせなければ意味がありません。
 
そこで、誰でも使いやすい「エクセルのマクロ」という選択肢を取ったのです。
 
内製化を望む旨を伝え、一緒に課題を解決してくれる人材を選ぶことが、長い目で見た時にはとても重要です。
 


投稿者プロフィール

藤原 一輝
藤原 一輝
(株)MARKELINE 代表取締役
株式会社 ユナイテッドアニマルズ &WAKE事業部→2021年からJOINSに参画。自身もJOINSを通じて複数企業をサポートする人材として活躍中。情報発信を通じて“しなやかな働き方”を目指す副業人材と、副業人材を求める中小企業の架け橋となりたい。LINE Green Badge取得(LINE公式アカウント認定資格/広告運用認定資格)/(株)Maneql認定LINE公式アカウント・Lステップコンサルタント/SNS運用サポート・導線設計